涙のみそ汁バナシ
今日は英会話に関係ない話を書きます。
悪しからず。
今日はフィリピン人Nさん(仮名イニシャル)のお話。
私は日本語を教えるボランティアを約20年しています。
色んな外国人を教えてきましたが、フィリピン人のお嫁さんもたくさん教えてきました。
日本に働きに来て日本人と結婚する人もいますが、お見合いをして結婚される方もいます。
Nさんはお見合いをして日本に来たので、日本語がほとんど話せませんでした。
陽気で明るくちょっといい加減なフィリピン人が多い中、Nさんはおとなしく穏やかでマジメな女性。
ご主人の両親と同居でまだ新婚の頃はお姑さんにいびられて苦労もありました。
例えば「調味料を勝手に使うな」とか「料理がマズイ」とか・・・
でも、ご主人がとてもまじめでやさしい人で良かった。
まだあまり日本語がしゃべれなかった頃。
最初のお子さんが生まれてまもなくお舅さんが亡くなりました。
葬儀の前日の夜、夢の中に亡くなったおじいさんが出てきたそうです。
「Nさん、Nさん。ちょっときて。タロウ(仮名)ちゃん連れてこっち来て。タロウちゃんの顔が見たいからこっちに来て。」
と仏壇のある部屋に来いとしきりに言う夢を見たそうです。
お通夜のあった仏壇のある部屋にはまだ赤ちゃんのタロウちゃんは連れて行ってなかったらしいのです。
それであわてておじいちゃんのいる仏壇のある部屋に連れて行って会わせてあげたそうです。
私には本当におじいちゃんが夢の中に出てきたとしか思えませんでしたが、まぁそれは人それぞれということにして。
私がその話を聞いて知りたかったことは「おじいさんが何語でしゃべったか?」でした。
「わたし、ゆめみました。おとうさん、きました。タロウちゃん、みたいです。といいました。つぎのひ、あいました。」
この程度の日本語をしゃべる人の夢の中では、いったい日本人はどんな日本語をしゃべるのだろうか?それとも英語?
Nさんに聞くと「ビサヤ語」だったと答えました。
しかもペラペラ。
夢の中のおじいさん、やるな~すごい。
フィリピンはタガログ語(フィリピン語ともいわれるそうです)が公用語ですが、地域によって全然言語が違うそうです。
ビサヤ語もタガログ語と全然違うそうです。
170も言語があるとか。
今教えているフィリピン人Kさんはイロンゴ語。
二人ともタガログ語は得意じゃないけどしゃべれるそうです。
教育の仕方も大きく関係するでしょうが、フィリピン人っておしゃべりが好きだから
言語の習得も早い気がする。
今ここでオナラしたら30分後にはとなりのとなり町までその話が伝わるらしい。
ってどんな例えや!
でも、フィリピン人が言ったので・・・
話しがそれてしまいましたが、私も自分が夢の中ででもいいのでペラペラにしゃべっている夢を見たいわぁ。
さて、もう一つ。
その頃、料理はどんな料理を作っているのか質問しました。
みそ汁を作るというので具材は何か尋ねたところ・・・
「バナナ」
と衝撃的な答えが返ってきました。
でも、聞くと青い小さなバナナでそれはフルーツとしてではなく食用として食べるバナナらしいのです。
イモみたいな感じらしいのですが、私は食べたことがないのでなんとも想像が出来ませんでしたが、お国が違えばみそ汁の具も違う、これぞまさに「みそスープ」だねぇ~
この間ひさしぶりにKさんに会いました。
3年前までコツコツと勉強を続け簡単な漢字の読み書きも出来るようになりました。
今は子供も大きくなりパートで働いています。
それほど仕事で日本語に困ることがないと聞いて安心しました。
そして、何かのきっかけでこのバナナのみそ汁のことを思い出し彼女に言ったら、
「エッ、エー、ウソー。私がそんなこと言いましたか?バナナをみそ汁の中にいれたんですか?ウソー!!」
とびっくりしていまいた。
そして、涙、笑い。
可笑しいやら、その時の苦労が思い出されて涙があふれ出たんでしょうね。
よく頑張ったね。
いやいや、それにしてもみそ汁にバナナ。
アンタも驚いたんかい!
では、また。
See you!!